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あと1日あれば!

 2019年晩秋。53歳の私は、もの思いにふけっている。
 40代半ばに、白髪やお肌の曲がり角を経験し、50代に入って、体調を整えるのにも一層苦労するようになった。
 しかも、歳を追うごとに、月日の経つ時間が早くなる。
 特に、仕事やエッセイ教室の課題提出は、締切日間近になって、
「あと1日あれば!」
 と思うことが度々ある。
 そう、あとたった1日でいい。
 さて、どうしたものか……、よし、それなら、1日を24時間、1年を365日と、時間の基礎となっている我らが“地球”にお願いをしてみよう。
 1、自転時間を30時間にして下さい。
 2、公転時間を380日にして下さい。
 この2つが実現したなら、1年の時間が、現在の1.3倍程になる。
 これで、あらゆる締切日のストレスから、多少は解放されるだろう。
――だが、たとえ時間が延びたとしても、多分、仕事の量が増えるだけなのだ、きっと。

 人が人生を謳歌し、時には苦悩し、生き抜いていくために、時間が多い方が良いかは、個人個人で違うと思う。
 私は、今、忙しい仕事や日々辛いこともあるけれど、時間が延びれば(増えれば)、好きな趣味の時間に充てたい。
 趣味は2つあって、歌うことと、ものを書くこと。合唱は約40年、エッセイ教室は約12年続けている。この2つが出来ているからこそ、仕事や、辛く苦しいことも乗り越えられている。これからも頑張ろう、と思う。
 
 地球に2つのお願いをしてみたところで、厚かましくも、もう1つお願いがある。
 3、人間の素行を赦し、いつまでも美しい
   地球でいて下さい。
 私たちが、幸せな未来をどう紡いでいくかは、私たち自身の努力に他ならない。
 しかし今、その土台となっている地球が、弱り、壊れかけている。壊しているのは明らかに私たち人間である。
 壊れゆく地球に、
「あと1日あれば!」
 と言われないように、人間は、自身の愚かさに早く気付かなければならない。自戒の意味も込めて、そう思う。
 
 と、色々考えているうちに、夜も10時を過ぎてしまった。早寝早起きをして、明日の仕事に備えよう。おやすみなさい。


 (完)

 作成 2019.12


“○○にしてほしいこと3つ”をあげ、エッセイを書く。

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